Delicious Cinema Vol.3 「The more chew, the more taste the cinema.」

「Delicious Cinema – おいしい映画」第三弾公開!

今回は自他共に認める大の映画好き、シュースケ氏がオススメする”おいしい映画”をご紹介。

シュースケ(サラリーマン兼天神4丁目町内会2組・組長)
https://www.instagram.com/jedishsk/
”噛めば噛むほど、観れば観るほど”。今回頂いた内容から、フワッと出てきました。
映画はたった2時間で、その主人公の数奇な運命を辿ることができ、五感がK.O.される。
そういうスクリーンを見て育った中で、僕は今回、数奇な3本を選びました。
チャーミングかつクールで、ナイーブな主人公たちのお気に入り料理。
そんな一皿を、皆様と一緒に味わえたら嬉しいです。

アイ・アム・サム 2001 – IHOPのパンケーキ-

 最初に紹介するのは、名優:ショーン・ペンと天才子役:ダコタ・ファニング共演作。ショーン・ペン演じるサムは知能指数が7歳程度しかない知的障害を抱えるも、シングルファザーとして、一人娘:ルーシーと仲良く暮らしていました。しかし、様々なアクシデントにて、2人は離れ離れとなってしまいます。サムは一念発起し、弁護士のリタ:ミシェル・ファイファーと共に、ルーシーの親権を取り戻すドラマとして、バックのOSTは全編、ビートルズの名曲のカバーと共に展開されます。

劇中、アメリカならではの大型フードチェーン店がいくつか登場。サムの職場としてスターバックスコーヒーが大きくフィーチャーされますが、今回僕が紹介したいのは、IHOPのパンケーキです。

スターバックスで働くショーン・ペンは非常にキャッチー

IHOPはアメリカの朝食メニューに特化したファミレス・ダイナー的存在。店名の由来:International House of Pancakesなのでパンケーキの種類が豊富。パンケーキ食べるならココ!と多くのアメリカ人に愛されています。サムがパンケーキをオーダーする際、彼の純粋さと少しの狂気さを表したシーンがあります。彼は、パンケーキをオーダーする際に、”卵は2個使って、サニーサイドアップ(目玉焼き)は少し固め!ソーセージも2本…そこにフレンチパンケーキで、フルーツトッピング!”と何度も何度も細かくオーダー。画中にパンケーキは登場しませんが、想像すると、ものすごく食べてみたくなりませんか?

実際、欧米は料理のカスタマイズオーダーすることは日常茶飯事。卵料理をオーダーするときも、茹でるのか、焼くのか、はたまたオムレツで柔らかくor硬く作るのかと様々。ダイナーのスタッフも忙しながらも、お客様の細かすぎるオーダーに対応し、日本にはない、お洒落な一品が運ばれてきます。劇中のダイナーシーンは本当に本当に美味しそうな雰囲気を醸し出すので、オススメです。

アメリカ特有のダイナーの風景は、やはり憧れです。

グラン・ブルー1988-スパゲッティ・デルマーレ(魚介のパスタ)/マンマのペペロンチーノ-

フランスの鬼才:リュック・ベッソン監督の1988年ブレイク作。実在の天才ダイバー:ジャック・マイヨール氏をモデルにし、フリーダイビングの世界記録に挑む2人のダイバーの友情と軋轢、海に生きる男を愛したヒロイン:ロザンナ・アークエットの心の葛藤を描く海洋ロマン。ライバルのエンゾ役:ジャン・レノの出世作でもある。

作品の舞台、イタリア/シチリア半島の美しさは勿論、ジャン・レノ演じるエンゾの破天荒な生き様は、ジャックのストイックさを引き立たせつつ、主役を喰った存在でもります。

劇中に登場するパスタ2品が、これまた悶絶。主役3人がレストランで食事中、エンゾが唯一恐れる存在:母”マンマ”が現れ、慌てふためくシーン。ここで登場するのは魚介のパスタ”な身体でパスタ大食いするシーンは可愛さ100点です。

エンゾの顔面蒼白シーンは必見!

また別のシーンでは、エンゾ のマンマがドカンと作ったペペロンチーノもこれまた美味しく見えます。お昼、あんなにガッツリ食べて、少々食傷気味のヒロインに追い討ちかけるように、マンマがパスタをサーブするところは、流石のクールキャラのジャックも唖然。やはり、どこの国も母強しといったところでしょうか。特にイタリアの気質にある、ファミリーの結束感は、エンゾ 一家にも色濃く反映。彼のエキセントリックなキャラクターにアクセントつけています。

マンマのパスタ大盛おもてなしに2人も唖然。
マンマの割腹の良さは、この映画の良いスパイス!

更にこの映画、アメリカ版/フランス版でエンディングが微妙に違うのも有名です。ジャックが次第に海の深き底に到達したときに見える風景とは?バージョン違いを見比べてみるのもアリです!

ミリオンダラーベイビー 2004-レモンパイ-

最後に紹介するのは巨匠:クリント・イーストウッドの監督/主演作。女優ヒラリー・スワンクをヒロイン、脇にモーガン・フリーマンで固めた本作。ボクシングを通して、イーストウッド演じる、人生を諦めたトレーナー:フランキーと、遅咲きの女性ボクサー:マギーが掴もうとするアメリカンドリーム、横たわる貧困・宗教・家族の問題。更にその先にある最期の難関と、上映時間133分があっという間に感じる名作です。その中で登場する、レモンパイがシンプルながらも物語のエッセンスとしてガツンと登場します。

劇中、フランキーはマギーがバイトするダイナーにて、彼は”ここのレモンパイは本物のレモンを使っているのか?”と問います。マギーは心中さっぱりと言わんばかりですが、実際はそこは加工品(レモン果汁?出来合い品?)が使われていました。

そこでフランキーは、マギーへ行きつけの”Iras Roadside Diner”というダイナーへ誘います。彼は”ここで一番美味しいレモンパイがある”と、オーダー。レモンパイ自体は映像では明確に出てきませんが、イーストウッドの”このまま死んでもいい”と言いながら、顔をくしゃくしゃしながら食べるシーンは秀逸。パイを通して、2人の間柄:師弟関係のみならず、血は違えど、親子関係に似た間柄へと昇華するシーンでもあります。

フランキーのヨレヨレのデニム姿もポイント。

2人がボクシングで成り上がっていくにつれ、スポ根内容からアメリカ社会でタブー視される様々な内容へと進んでいきます。イーストウッドは常に、アメリカとは何か、人間とは何か、人生とは何かを、ライフル銃で撃ち抜く様な衝撃が毎回感じます。一見重そうと感じますが、このレモンパイを表すみたく、ラストは非常に口あたりしっとりとし、甘さと柑橘特有のほろ苦さを味わえる1本に仕上がってます。皆様、是非是非。

park