People Interview 001 たなかみさき

「初めて彼女の絵を見た瞬間、胸がキュンとして苦しくなった。」

大人気イラストレーターのたなかみさきさん。彼女の描く絵はどこか懐かしくちょっぴりエロティックで僕たちの胸を締め付け離さない。

そんな彼女の作品が生まれる背景のお話を伺ってきました。

 

Park Magazine(以下:P)​:たなかさん、初めに簡単な自己紹介をお願いします。

たなかみさきです。絵を描いてます。地元は埼玉で今は熊本に住んでるんですけど、春から東京に移動します。

P:作品はご自宅で描かれてるんですか?

そうですね。私、描き出すと部屋を散らかしちゃうんで、今パートナーと一緒に生活しているんですけど、彼が仕事で出てる時に一気に描いてますね。帰って来るまでに片付けるみたいな。

P:SNSにアップされるイラスト素敵ですよね。

ありがとうございます(笑)SNSにアップするイラストは自分の生活や心情が影響されてますかね。
世に出さない様なイラストも多いので、SNSに上げるイラストは作品というより日記の様な感覚で描いていて思ってる事とか生活の事とかを写真や言葉ではなくてイラストで表現する様にしてます。
「描く」ってやっぱり手を止めない事が大切で、日々の事は、ほぼ毎日描いてSNSに投稿しています。


P:どういう気持ちで描いてるんですか?

好きな事しか考えてないので、趣味に近いですね。SNS投稿は。

 

P:逆に趣味とは違う、頼まれる仕事の際はどういう事意識されてますか?

頼んでくれる方は私の絵の雰囲気を分かってくれている方が多いので、こういう物が欲しいんだろうなっていうのを考えながら感覚的に自分の持ち味を活かして描く様ににしています。上手く行かない事もあるんですけどね(笑)

 

P:作品描く際によくしてる事とかありますか?

描く時は音楽をよく聴きますね。最近だと岡村靖幸さんをすごく聴いてます。
「可愛い」とか「強い」みたいなはっきりした物ではなくて、愛嬌とか情けないとか寂しいとか微妙なニュアンス。好きと嫌いの間の様な微妙な所を表現出来たらなって思いますね。

 

P:SNS絵も勿論ですが添える一言も素敵ですよね。やはりそういう音楽から影響されている部分も多いのでしょうか?

多いと思います。自分の中で解釈して言葉を組む時もあるし、気になる歌詞とかはそのまま使うときもありますね。音楽にはかなり影響受けてます。音楽を聴く事もですが、絵を描く事は私の生活の一部になっていますね。

 

P:絵を描き出したのはいつからなんですか?

小さい頃から絵を描くのが好きで、高校の頃も描いてました。でも高校卒業して絵で生計立てて
行くのって現実的ではなくてずっとふわふわしてましたね(笑)
当時は、調理の学校か服飾の学校のどちらかに進学しようと思っていたのですが、高校の先生がもったいないよって言ってくれて、芸術大学に進学しました。

 

P:なるほど。転機だったんですね。大学では何が専攻だったのですか?

日本画、版画です。今の作風にもかなり出てるのですが、線を意識しだしたのはこの頃からですね。

 

P:大学時代から仕事というか依頼はありましたか?

仕事までは行かないですけど、思わぬ所から連絡頂いたり、ありがたいです。

P:音楽を良く聴かれるそうですが、最近一番何聴かれてますか?

最近は岡村靖幸さんで、常に聴いているのが大滝詠一さんです。あ、それと私、松本隆さんがすごい好きなんです、なんかこの歌いいなーって思ったら大概彼が作ってたりして。

P:音楽もですが好きなイラストレーターさんや漫画家さんはいらっしゃいますか?

そうですね。。好きな方は沢山いるのですが、最近嬉しい事があって、あんまり入手できないんですけど上村一夫の同棲時代っていうの漫画を手に入れて本当に面白いです。衝撃的で、すごい内容を大真面目描いてて。

P:気になります(笑)どこで入手されたんですか?


熊本のヴィレッジヴァンガードさんで、私がインスパイアされた本をイメージして絵を書くという企画で本と一緒に展示していたんですけど、当時上村一夫さんのこの本は持っていなかったんですけど、ヴィレッジの人が探してきてくれて。

 

P:すごいですね(笑) 熊本はどういう街ですか?

すごく楽しくて、大好きな街です。愉快な友人も沢山居て。楽しい事しかなかったです。
一番印象に残っているのは、住んでる時に起こった熊本地震が自分の中ではすごく大きくてその時は
全然絵が描けなくなりましたね。。

 
P:それは心境的にですか?それとも環境的に?


どちらもですね。電気も付かないから夜は描けないし、気持ち的にもすごく落ち込んでしまって

描く事よりも毎日生活に必死で、今絵は必要ないってくらいでした。でも、その時依頼されていた仕事がディスコってテーマで(笑)まじかー、今ディスコって気持ちなれないし描けないなって思って焦ってましたよ(笑)

 

一同:爆笑

P:どうやってその心境を乗り越えたんですか?


色々ですけど、気分転換に夜友達と外に出て誰もいない瓦礫の街をオレンジの光を頼って歩いて

ロマンスやときめきとかをそういう物を日常の小さい所から見つけて、吸収してました。

悲惨だったけどすごく美しい日々でもあって仕事もできないし毎日不安だけど、みんなで助け合ったりして日々を過ごしていて、なんだろう、原点に戻った気がしました。あの日々はすごく印象的でした。

でもディスコも描かなくちゃだし、その時の作品見たら分かるんですけど、目がすごく悲しそうになっちゃったんですよ。ディスコ、無理矢理踊らされてるみたいな。

P:作品にも出てたんですね。そういう背景。

そうなんです。その頃から色々敏感になってしまって。

例えばですけど、私すごく恥ずかしがり屋で中学生みたいで(笑)初めて会う人と肩がぶつかるだけでもどきどきしてしまいますね、意識的にそういうどきどきとかときめきとか匂いとかを気持ちにストックして描く様になりましたね。

P:中学生(笑)どきどきする芸能人とかいらっしゃいますか?

 

顔が好きでも洋服の着こなしとかが微妙だとか、芸能人だとすごく好きだった人が

えーそんな事するんだってなったら萎えますね(笑)そんな感じなんだみたいな。

好きな人が自分がやだなって思う仕事してたら嫌なんですよね。あ、この人こんな格好付けてるのにこんな事するんだって。有名なっちゃったりして。しょうがないんでしょうけど。

P:分かります。有名になってもスタンスは変えてほしくないですよね。

私も「たなかさん好きだったのにああいう会社と大量生産みたいな事とかしちゃうんだー」って思われたくなくて。ちゃんと私は仕事する際もちゃんとお互いがお互いの事を知ってお話して理解して仕事していきたいです。winwinというか、お金とか知られるとかも大切ですけどそれだけじゃないなって思ってます。

P:2017年もですが、今後の活動は?

そうですね、今年は展示がしたくて場所を借りてやりたい形で表現をできたらなって思ってます。作品もですが、空間とか見せ方とかにもこだわって。ここでこれやっちゃうのみたいな?できたら色々と組んでやりたいなって思ってます。

たなか みさき

東京在住のイラストレーター。一度目が合えば思わずキュンと胸が苦しくなってしまう、レトロでセクシーな女の子や男女カップルをシンプルなラインで描き出す。

instagram : https://www.instagram.com/misakinodon/

撮影場所 : Stereo Coffee

park